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ゲキテイの新旧歌詞の比較

新ゲキテイのフルバージョンが発表されましたね!
となると、文系の私としては、音楽的なことについてはよくわからないというか、感覚的なものはあっても表現するだけの力をもたないので、歌詞に触れてみたいと思います。
新旧のゲキテイの歌詞を比較してました!

 

イントロは、まさにゲキテイ! トランペット?の音が鋭さを加え、いやがうえにも気持ちが盛り上げる。
そして、歌がはじまる。

旧)引き裂いた  闇が吠え   震える帝都に
新)砕け散る闇に 突き立てろ刃 悪を許さない

旧)愛の歌 高らかに  躍りでる  戦士たち
新)愛の夢 たぎらせて 浮かび立つ 戦士たち

冒頭は、旧歌詞を踏襲した「ヒーローソング」路線。
特に、「愛の~」からは、字数も同じで、ゲキテイにのせても歌えてるものになっている。

旧)心まで 鋼鉄に 武装する乙女
新)輝ける乙女

「乙女」のフレーズはゲキテイには欠かせないというところでしょう。
ただ、旧では、戦士的なイメージを前面に出しているが、新では、そのイメージはなく、乙女を素直に打ち出している感じ。

旧)悪を蹴散らして 正義をしめすのだ
新)満開の桜 抱きしめる優しさが 熱く燃え上がる
  友よ手を握り この戦 いざ! 勝ち進め

全体のフレーズ数が、新のほうが多いのがわかります。
また、全体にいえることですが、旧は個の強さを前面に打ち出している歌詞で、新のほうが集団としての歌詞になっているように思います。
いってみると、旧帝都より紐育の雰囲気に近い感じ。
台詞をのぞいて「正義」が歌詞に出てこないせいもあると思います。
旧シリーズでは、1の最終決戦が「サタンVSミカエル」だったり、〆の必殺技が「絶対正義」だったりと、正義と悪の対決がストーリー的にも前面に出ていたわけですが、今回は華撃団同士の対戦というのがストーリーの軸にすえられていることもありますから、そこの部分は意図的に歌詞で回避したのかもしれません。
また、勝ち進め、という表記の仕方も、対降魔というより、スポーツ的な華撃団大戦を意識しているように思います。

新)せつない帝都に躍り出る

ここ、聞いた時は「刹那に帝都に躍り出る」だと思ってました。
こう、見敵必殺、みたいなw
せつない帝都、っていうのはどういうことなんでしょうね。
旧花組が消滅した帝都という意味なのでしょうか?

旧)走れ    光速の 帝国華撃団 唸れ 衝撃の 帝国華撃団
新)走れ(走れ)光速の 帝国華撃団 唸れ 衝撃の 帝国華撃団

1番のサビは、被せはあるものの、旧と同じ歌詞ですね。
サビもゲキテイそのもので、やはりこの曲がゲキテイの新しい曲なんだ!と思わせられますし、ゲキテイが全く古くならない、素晴らしいメロディであることを再認識させられます。

新間奏)あの頃こと 胸の中に 思い出がくるくると回る

ここは新旧比較の話ではなく、新で「花咲く乙女」の旋律が入っていることについて。
旧OPと同じサビ歌詞から、旧EDに繋がるという神展開。
1のEDである花咲く乙女は、すべてが終わってから、かつてを振り返る曲ということで、旧サクラの舞台でも、続きを予感させる「夢のつづき」が優先して歌われ、滅多に歌われなかった曲です。
それがここに歌われる。
旧OPから旧EDをつないで、旧シリーズのことが一気に脳裏によみがえります。
そう、旧シリーズが終わってしまったこと、けれど、旧シリーズは確かにこの世界に存在し、その歴史が続いているんだと、訴えかけられている気がします。
花咲く乙女の最期は「歌い踊り舞台が跳ねて 君にとどけ 今宵高鳴る その名……」ですから。

旧)
わたしたち 正義のために戦います。たとえ それが命をかける戦いであっても わたしたちは 一歩も引きません! それが 帝国華撃団なのです!
新)
わたしたち 正義のために戦います。たとえ それが命をかける戦いであっても わたしたちは あなたと共に参ります! それが 帝国華撃団なのです!

ここでは少しだけ台詞が変わっています。
旧では個としての強さが押し出されたヒーロー調だったものが「あなたと共に」となって、集団を意識した口上になっています。
これをヒーローとヒロイン(男女)を意識したものとみることもできます。

ただ、旧では大神赴任時に、帝撃は発展途上とはいえ、戦力としたは期待できる状態になっており、既に実践を幾度も経ている扱いでした。
メインヒロイン真宮寺さくらも、初期から強さをもつ戦士としては完成された存在で、帝劇に赴任したばかりの大神を戦闘面では引っ張る存在として(初期のみですが)描かれました。1の劇中でも大神をかばうところもあり、大神とさくらは戦士として並び立つイメージです。

一方、新では帝撃は戦うことすら困難な状態になっており、戦力として期待できない状態。ヒロイン、天宮さくらは、妹キャラで、神山を引っ張っていくような存在ではないようです。
このボロボロの状態の帝撃を、なんとか新花組一同の力を結集して立て直していこうというのが、「共に」という言葉への変化に繋がっていったように思います。

もちろん、この「あなた」はファンとのダブルミーニングであるとも思え、ファンの支援のおかげでここまできたという想いもこめられているのかもしれません。

旧)街の灯が 消え果てて 脅える帝都に
新)暗黒の夜を 照らし出す勇気 賽は投げられた

旧)虹の色 染め上げて 踊りでる戦士たち
新)命かけ ともしびを 守りぬく 戦士たち

二番も冒頭のフレーズは、旧を意識したものとみえます。
「脅える帝都」と「照らし出す勇気」は、対照になっていて、面白いと思います。

旧)暁に 激情を 照らし出す乙女
新)美しい乙女

ここでも乙女というフレーズは旧と同様に使われていますが、やはり1番同様、強さより乙女そのものを前面にしている感じがあります。

旧)悪を滅ぼして 正義をしめすのだ
新)舞い上がる桜 この胸に染め上げて 時を超えて行く
  友よ手を握り この戦 いざ! 勝ち進め

やはり、新では「正義」という単語が使われていませんし、「勝ち進め」というフレーズが用いられています。これについては前掲通り。
「時を超えていく」というのは、旧サクラを受け継いでいくことを示しているようにも聞こえます。

また、この二番は、花組のメンバーがかわるがわる歌っています。
旧ゲキテイは、基本的にはソロは、さくら一人だった(サクラ2の改、改2、3は異なりますが、サクラ1の檄!帝国華撃団と、後年、最も多く歌われたTV版のゲキテイは、さくらがソロ担当)ので、新は「共に」というコンセプトを強くしているように感じられます。

新)いとしい明日に光あれ

そして、ここ。
ここで一気にサビへもっていくための「タメ」ですよ。
それは曲調もそうですが、明日というフレーズで、新サクラのこれからを!という決意表明にも聞こえるわけです。

旧)
走れ 光速の 帝国華撃団 唸れ 衝撃の 帝国華撃団
走れ 光速の 帝国華撃団 唸れ 衝撃の 帝国華撃団

新)
走れ(走れ)高速の 帝国華撃団 唸れ衝撃の 帝国華撃団
夢は 甦る 帝国華撃団 我ら 新章なる 帝国華撃団

そして、このサビ。
旧と同じフレーズからの「夢は甦る」ときては!
一番の最後と間奏の頭で、一気に旧サクラを回顧させておいて、これですよ!
ゲーム的には旧帝撃の頃の指しているという解釈になるのでしょうか、やはり、ファンへの言葉と受け取ってしまいますね(ダブルミーニングでしょう)。
新たなる帝撃。
新サクラ大戦の世界へ一気にもっていかれます。


※当記事内の歌詞の記載は、著作権法上の「引用」によります。
 引用元:
 「檄!帝国華撃団 」 広井王子、田中公平 1996年
 「檄!帝国華撃団<新章>」 広井王子、田中公平 2019年
 「花咲く乙女」 広井王子、田中公平 1996年

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